すののぬま。

そこに沼があったから。

【すのドラマ】海のはじまり#7

さてねー、もう第7回まで来ちゃってますよ。パリ五輪進行があったせいかドラマは押しなべて早期スタートしてる感じですが本作は時間帯的にもあまり影響が無かったのかな?順調に放送が行われている印象です。

今回は、津野君周りの話がメインだったので、夏くんはほぼモブみたいな感じになってます……次回は夏くんの生物学上の父が登場!まさかの田中哲司さんということでね、またまた強力すぎる演者さんということで、いよいよ目黒蓮さんが本領発揮してくれることを期待です。第7回はほぼ海ちゃん相手にかわいくて優しい夏くんというパートだったので次回どうなるかな~~とちょっとドキドキですね。

ではいつも通りネタバレ防止しまーす。直接この記事に飛ぶと「続きを読む」が無効になっちゃうので長めの改行入れますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ということでね。今回は水季に一番近かった「他人」津野君がメインの話となってます。

まずは水季と海の暮らしぶりを匂わせる「コロッケ」のエピソードから。

私もね、コロッケ、かつて挑戦したことあります。でも、その手間と費用とを考えたらもう断然「スーパーのコロッケ」派になってしまいました。それほどに手作りの手間と費用と出来上がりのクオリティが見合わない、それがコロッケです。スーパーの総菜コロッケにはなくて手作りのコロッケにあるのは、そこにはもう愛しかないですね。愛という言葉じゃなければ「想い」とでも言ったらいいかな、そういうものが込められている特級ポーションみたいな感じです、手作りのコロッケ。MPもHPも大回復できるやつ。術師がめちゃめちゃ思いを込めて作るやつ。以前出てきた月岡家のコロッケはホント愛情の塊みたいでした。費用もね、総菜コロッケって異様と言ってもいいくらいにリーズナブルですよね。それを「値引きシールが貼られたときだけ買っていい」って…どんだけ生活苦だったんだ、水季。

前回もチラッと書きましたけど、非正規の図書館職員の給料はそれだけで暮らしていくには厳しい金額なんですよね。子どものための手当てとかいろいろ受けていたにしても厳しいと思うなあ。そういうことが滲んでくるコロッケエピソード、つらいです。

朱音さんから津野君へ四十九日を知らせる連絡が入ります。あまり乗り気ではない津野君ですが、それにも理由があったんですね。

 

水季が図書館で勤め始めて真っ先に頼ることにしたのが同僚の津野君でした。もしかして水季って同性の友達少ないタイプなのかな。異性を相手にした方が話しやすいとか、実際そういう人いますよね。得てしてあらぬ誤解を受けやすいタイプでもありますが、水季は戦略としてあえて津野君に助けを求めていた感じですね。自分でも狡いことしてるのはわかっててやってたと作中で言ってましたよね。

津野君が海の存在を知ってまず言ったのはやっぱり父親の存在について。相手の男は海のことを知ってるのか?なぜ知らせないのか?養育費も得られるんじゃないのか?はーい!ごもっともです!仰る通りです!時間にもお金にも余裕のない生活をしてることを知ってる同僚ならではの発言ですし、成人男性なら当然そのくらいの意識は持っていて欲しいし自分なら絶対愛した人をこんなふうにはしておかないんだけど?という津野君の思いが透けて見えるようでした。それに対して水季から返ってきた言葉は「相手のことを知らないくせに悪く言うな」ですよ。それなのにお迎えやらなんやら頼んじゃってるのはどういうことなんだ?っていうかその頼みを嬉々として受け入れている津野君さあ……

水季の様子からも、相手の男への愛が無くなってこの事態を迎えてるわけじゃなくて、むしろ愛があるからこうなっていて、自分が水季の恋愛的相手として認識されることは無いとわかっている津野君見てると、正直しんどいです。

水季のこと決して嫌いじゃないんだけど、どうして??という気持ちになってしまうんだよな。どうしてそこまで頑ななのか。この頃までに知らせていたら、夏くんそりゃ驚きはするだろうけど、彼なら受け入れてくれたんじゃないのか…と思ってしまうんだよな。

自分ががんを患っていることを知った水季。さすがに朱音さんには打ち明けたし、夏くんには海のことを内緒のままにしておくつもりだったけれどそうもいかなくなった、と、徐々に海と夏を近づける方向へと考えを変えていったんですね。

 

入院している水季を見舞う津野君。積極治療を断念する理由が「今まだ自分がしっかりしているうちに海との時間を持ちたいから」「治療することで一緒に過ごす時間が減るのは嫌だ」という、なかなかシビアな選択をするしかなくなっているんですね。津野君にはここまで打ち明けたりすることができるんだよな。

ていうか津野君、ここまでいろいろな面でずっと水季を支えてきているのに(自宅で海を預かったりもしているのに)、血縁も法的なつながりも無いから、水季が故人となってしまったら「ただの外野」でしかなくなるのだよな……家の片付けに来ていた朱音さんも、助力を申し出た津野君に向かって「家族でやるんで大丈夫です」と突き放すように言うんだよね。こんなふうに言われたら、そりゃ四十九日行きづらいわよね。

水季もさあ、津野君に甘えるだけ甘えて逝っちゃったんだもんな。これはちょっとひどくないすか?って思っちゃった。

 

納骨当日、水季の骨が入った骨壺を抱きかかえて離そうとしない海ちゃん。海ちゃん役の星奈ちゃんが上手過ぎて戦慄するよね。あんな自然に喪失感を体現できるって末恐ろしい……。そんな海ちゃんに夏くんが渡したのは星型の遺骨ペンダント。「水季」を思わせる水色の丸い石が付いています。同じものは見つけられなかったけれど今いろんなタイプの遺骨(遺灰)ペンダントがあるんですね(amazonでも売ってる)

夏くんは義弟の大和くんがママの遺骨が入ったミニ骨壺で手元供養してる話を聞いてましたもんね。「旅行に連れて行ったり受験のお守りにしたりした」って言ってたな。お別れしたタイミングが若ければ若いほど、幼ければ幼いほど「亡くなった人がそこに居る」と感じられるような何かが必要なのかもしれないですね……。

 

夏が南雲家に滞在している間、弥生さんを家に招いているゆき子さんです。二人が進もうとしている道について、なかなか厳しいんじゃないか?と弥生さんのことを心配しています。そりゃそうだよね…。っていうか、自分も似たような経緯を辿っているゆき子さんならではの「(現夫の妻で大和の産みの母が)死んじゃっててずるいって思った」って言葉、考えさせられますね。死んだ人の美しい思い出にはなかなか勝てそうもないですもんね。でも、どれだけ綺麗な思い出でも、もう更新されることはないんだもんな……消えることはないにせよ、増えることもないのだから。

 

四十九日のあと、水季の墓参りに行く夏と海、そして弥生さん。津野君も少し気持ちを吐き出せたのか、ようやく水季の死と向かい合うことができた様子です。

お墓から駅までの帰り道、津野君と弥生さんのシーン、すごかったですね。というか今回は津野君回とでも言ったらいいのか、朱音さん(大竹しのぶ)vs津野君、水季(古川琴音)vs津野君、弥生さん(有村架純)vs津野君、という津野君(池松壮亮)劇場を堪能させていただきました!上手い人同士の演技合戦、火花が散っているようで素晴らしかったです!ドラマというより映画を見てるみたいだった「海のはじまり」第7話でした。